【第0章 ヴァーユ 】
- 01. 守護者 ビルシャナ
「アヴェスタ、お前の大事なガルディナ(守護者)の精神の安寧を守護しようという気持ちはないか?」 『私が『竜の大群が酒瓶と肴を手に無邪気な笑顔で飛んでくるぞ』と言えば、お前の心は安らぐのか?』 アヴェスタは真顔で振り返った。 - 02. 筆頭アシャ ヤシュト
ビルシャナのガルディアへの愛情が、幼い頃島の森や動物を愛していたのと同じ無邪気なだけの物なのかどうか、ヤシュトには分からないが、少なくとも、ガルディアを失えばこの美しい島は全てを失い、永遠に豊かさの欠片も得ることができないことは確かであり、それを思うことの途方もない喪失感と恐怖は痛いほど理解できる。 ガルディナからガルディアを奪ってはならないのだ。 - 03. 二のアシャ フワルタク
「考えてもみろ、そもそもアシャの存在そのものが反則技なのだ。それがよってたかってその反則性を利用して際限なくフラワシを利用するのだぞ。下手な使い方をすれば、今は黙認しているガルディアも怒ってお前たち全員消滅させるかもな」 - 04. 守護者 ビルシャナ
「……竜よ」 ビルシャナは竜に歩み寄った。 「今更和平を試みるつもりもないが、もし言葉を解するなら一つ聞かせてくれ。……我々に恨みでもあるのか? お前たちが我々を憎む理由はなんだ? なぜ協定を破る?」 - 05. 二のアシャ フワルタク
「……守護神アヴェスタの守護者の名において命ずる」 ビルシャナは大剣を握りなおし、その場で高く掲げた。 「――『死ね』ええええぇっ!」